知識の棚卸し

映画や身近な事柄についての知識の棚卸し考察のブログです。大人の方対象。知識の棚卸しとは、映画中心とした知識と考察によってたらしい価値観を提供する大人のためのブログです。

~ 如何にしてブラットリー・クーパーは監督賞の候補から漏れ、ポーランドの監督が浮上したのか? ~

~CAPTER 01~

2019年第91回アカデミー賞候補がついに上がり賞レースはいよいよ加熱していきます。
「ブラック・パンサー」のアカデミー賞候補はやっとアメコミ映画が認められたという長きわたっての苦労が報われた感じすらあります。

映画ファンならこのノミネートの候補者を当てていくのが一つの楽しみでもあります。
何故なら、米国アカデミー賞は下馬評通りに行かない特殊で見ぬけない条件のもとサプライズ候補が上がります。
アカデミー賞ノミネート発表以前は全く下馬評に挙がっていなかった作品やアーティストがサプライズ候補として上がってきます。

ウルフ・オブ・ウォールストリート助演男優賞候補になったジョナ・ヒルは賞レースにまったく絡まなかったのに突然浮上しました。
これは、ジョナ・ヒルの業界内の評判と事前のプロモーションが成功した例です。

世界の一つのプレイブックのジャッキー・ウィーバー助演女優賞にあがりましたが、これも下馬評では全く候補にならなかったです。
これ自体は、製作総指揮のハーベイ・ワインスタインのプロモーションの尽力につきると思います。(圧力ともいえるのかもしれません)

このように作品の質ですべてが語られる事はできないです。

しかし、今年のアカデミー賞の候補で一番驚いたのは、監督賞候補で
プラットリー・クーパーが候補の大本命として挙げられていましたが、外れてしまいました。
では、誰がこの候補に挙げられたのかといえば、ポーランド映画ポーランド出身のバヴェフ・パヴリスコフスキ監督が監督賞の候補に挙がりました。

突然のサプライズと、人気スターの監督賞候補の漏れは衝撃的でした。


2012年アカデミー賞の監督賞の候補で「アルゴ」のベン・アフレックが漏れました。
英国アカデミー賞ゴールデン・グローブ賞、放送映画批評界協会賞、全米監督協会賞なども監督賞を受賞したのにもかかわらず。
大本命中を外し、ライフ・オブ・パイアン・リーに受賞させました。

これはもはや、映画の質やプロモーションなどの広報活動が裏目に出たという事ではなく、ベン・アフレックの業界内の評判によるものかと思います。
それぐらいアカデミー賞は保守的であり、この保守的な部分がダークナイト→プラックパンサーまで10年間のアメコメ映画作品賞候補にあがらなかった要因です。


今年2019年のアカデミー賞もブラッリー・クーパーも同様なのかというと実は違います。
プラットリー・クーパーは業界内の評判は高い方です。すでに4回もの演技部門での候補経験があります。(ベン・アフレックは一度ありません)
では、別側面で今回の候補落ちを考えなければなりません。

そこで、今回は批評面での関係性が希薄である カンヌ映画祭英国アカデミー賞との絡みを踏まえていくと今回のパヴェウ・パヴリスコフスキ監督が突然候補にあがった理由が見えてきます。
今回はここに焦点を絞り考察していきたいと思います。

 


~CAPTER 02~

アカデミー賞候補を予測する場合、私も含めて大体の方はアメリカ本土内での評論家の賞を参考にしていく傾向があります。
その結果、アカデミー賞候補に突然現れていく監督が多いのも事実です。

これは、アカデミー賞がまず「業界内の評判」「興行成績」「作品の品格」「作品の批評絶賛率」などを重視するからですが
ここ昨今では「英国アカデミー賞」の候補と受賞を反映させる傾向も強くなってきました。

今回のパヴェフ・パブリコフスキ監督は(見逃していた方も多いですが)英国アカデミー賞では作品賞・監督賞などの候補に挙がっていたのです。
これは、英国アカデミー賞の傾向に、カンヌ、ベネチアなどの映画賞を候補上げにする傾向があります。

 

「COLD WAR/あの歌、2つの心」はカンヌ映画祭では監督賞を受賞しています。
これを発端としてカンヌ映画祭での本作の評判は高く、その流れをくんで英国アカデミー賞の候補になっています。

米国アカデミー賞からすれば、米国内での映画を参考するのは安易ですし、見てない場合は裕福に資本に基きアカデミー会員にDVDを送付したりして認知度を上げていきます。

しかし「COLD WAR/あの歌、2つの心」はさほどプロモーションも行わずむしろ、候補になりづらい傾向にはありました。

逆転候補になったのは、英国アカデミー賞の候補になってからです。
それほど、英国アカデミー賞での候補や動向は米国アカデミー賞に影響を受けやすくなっています。

ここでは、英国アカデミー賞カンヌ映画祭と米国アカデミー賞がどれだけ影響しているのかを資料として掲載していきたい思います。


最初に結論を申し上げれば、今後のアカデミー賞の予測傾向は、英国アカデミー賞カンヌ映画祭をある程度結びつけて、
米国アカデミーへの影響へと考察していただければと思います。

 


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カンヌ映画祭と、アカデミー賞との因果関係 一覧 ~
カンヌ映画祭ではコンペティション(候補でまたは準作品賞のグランプリや審査員特別賞に該当した作品)
の米国作品をオスカーで華々しくもしくは、サプライズとして当確する傾向があるので記述してみたいと思う。


★2018年
カンヌ候補=ブラック・クランズマン(スパイク・リー監督)→カンヌ映画祭グランプリ→アカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞、など各候補
カンヌ候補=COLD WAR あの歌、2つの心(パヴェウ・パヴリコフスキ監督ポーランド/イギリス/フランス)→カンヌ映画祭監督賞(パヴェウ・パヴリコフスキ監督)→アカデミー賞監督賞外国語映画賞
カンヌ候補=万引き家族(是枝裕和監督・日本)→カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞→アカデミー賞外国語映画賞候補


★2017年
カンヌ候補=ザ・スクエア思いやりの聖域(リューベン・オストルンド監督)→カンヌ映画祭最高賞パルム・ドール受賞→アカデミー賞外国語映画賞候補
カンヌ候補=女は二度決断する(ファティ・アキン監督ドイツ)→カンヌ映画祭女優賞受賞(ダイアン・クルーガー)→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ラブレス(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督ロシア/フランス/ドイツ/ベルギー)→カンヌ映画祭審査員賞受賞→アカデミー外国語映画賞候補
カンヌ候補=The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(ソフィア・コッポラ監督)→カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー賞候補なし

カンヌ候補=マイヤーウィッツ家の人々(ノア・バームバック監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし?
カンヌ候補=ワンダーストラック(トッド・ヘインズ監督 →カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし


◆2016年
カンヌ候補=セールスマン(アスガー・ファルハディ監督イラン/フランス)→カンヌ映画祭男優賞受賞(シャハブ・ホセイニ)脚本賞受賞(アスガー・ファルハディ)→アカデミー賞外国語作品賞受賞
カンヌ候補=エル ELLE(ポール・ヴァーホーヴェン監督フランス)→米国アカデミー賞主演女優賞候補(イザベル・ユペール)→アカデミー賞外国語映画賞候補
カンヌ候補=ありがとうトニ・エルドマン(マーレン・アデ ドイツ/オーストリア)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞外国語映画賞候補

◆2015年
カンヌ候補=キャロル(トッド・ヘインズ監督)→カンヌ映画祭主演女優賞(ルーニヘ・マーラ)→アカデミー賞主演女優賞ケイト・ブランシェット)助演女優賞ルーニー・マーラ)・脚本賞・作曲賞など各賞候補。
カンヌ候補=サウルの息子(ネメシュ・ラースロー監督ハンガリー)→カンヌ映画祭グランプリ受賞→アカデミー賞外国語映画賞受賞
カンヌ候補=ロブスター(ヨルゴス・ランティモス監督アイルランド/イギリス/ギリシャ/フランス/オランダ/アメリカ)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞脚本賞候補

カンヌ候補=追憶の森(ガス・ヴァン・サント監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞外国語映画賞候補


◆2014年
カンヌ候補=フォックスキャッチャー(ベネット・ミラー監督)→カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー賞監督賞・主演男優賞 (スティーブ・カレル)助演男優賞(マーク・ラファロ)脚本賞など各賞候補
カンヌ候補=ミッション・ワイルド(トミー・リー・ジョーンズ監督)→カンヌ候補のみ
カンヌ候補=人生スイッチ(ダミアン・ジフロン監督アルゼンチン)→アカデミー賞外国語映画賞候補
カンヌ候補=裁かれるは善人のみ(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督ロシア)→アカデミー賞外国語映画賞候補

★2013年
カンヌ候補=ネブラスカふたつの心をつなぐ旅(アレクサンダー・ペイン監督)→カンヌ映画祭男優賞(ブルース・ダーン)→アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、初演女優賞、各賞候補

カンヌ候補=エヴァの告白(ジェームズ・グレイ監督アメリカ/フランス)→カンヌ候補のみ→→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(イーサン・コーエン/ジョエル・コーエン共同監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(ジム・ジャームッシュ監督アメリカ/イギリス/ドイツ)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=恋するリベラーチェ(スティーヴン・ソダーバーグ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2012年
カンヌ候補=ムーンライズ・キングダム(ウェス・アンダーソン監督)→カンヌ候補のみ→ 脚本賞候補(ウェス・アンダーソン/ロマン・コッポラ)
カンヌ候補=愛、アムール(ミヒャエル・ハネケフランス/ドイツ/オーストリア監督)→カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞→アカデミー賞外国語映画賞受賞、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞各賞候補

カンヌ候補=偽りなき者(トマス・ヴィンターベア監督デンマーク)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞外国語映画賞
カンヌ候補=ジャッキー・コーガン(アンドリュー・ドミニク監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ペーパーボーイ真夏の引力(リー・ダニエルズ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2011年
カンヌ候補=アーティスト(ミシェル・アザナヴィシウス監督フランス)→カンヌ映画祭主演男優賞受賞(ジャン・デュジャルダン)→アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、作曲賞受賞。助演女優賞(ベレニス・ベジョ)、脚本賞など各賞候補。
カンヌ候補=ツリー・オブ・ライフ(テレンス・マリック監督)→カンヌ映画祭最高賞パルフ・ドール受賞→アカデミー賞作品賞、監督賞、撮影賞の各賞候補
カンヌ候補=ドライヴ(ニコラス・ウィンディング・レフン監督)→カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー賞音響賞候補

★2010年
カンヌ候補=ビューティフルBIUTIFUL(アレハンドロ・ゴンサレス監督・イニャリトゥスペイン/メキシコ)→カンヌ映画祭男優賞(ハビエル・バルデム)→アカデミー賞主演男優賞候補、外国語映画賞候補

★2009年
カンヌ候補=イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ監督)→カンヌ映画祭男優賞(クリストフ・ヴァルツ)→アカデミー賞助演男優賞受賞、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、など各賞候補
カンヌ候補=預言者(ジャック・オーディアール監督フランス)→カンヌ映画祭グランプリ→アカデミー賞外国語映画賞候補
カンヌ候補=白いリボン(ミヒャエル・ハネケ監督ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア)→カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞→アカデミー賞外国語映画賞候補、撮影賞候補

カンヌ候補=ウッドストックがやってくる!(アン・リー監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2008年
カンヌ候補=チェンジリング(クリント・イーストウッド監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞主演女優賞、撮影賞、美術賞各賞候補
カンヌ候補=パリ20区、僕たちのクラス(ローラン・カンテ監督フランス)→カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞→アカデミー賞外国語映画賞候補
カンヌ候補=脳内ニューヨーク(チャーリー・カウフマン監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=トゥー・ラバーズ(ジェームズ・グレイ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2007年
カンヌ候補=ノーカントリー(ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン共同監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞(ハビエル・バルデム)、脚色賞受賞、撮影賞、音響賞、など各賞候補
カンヌ候補=潜水服は蝶の夢を見る(ジュリアン・シュナーベル監督フランス/アメリカ)→カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー賞監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞各賞候補 ?
カンヌ候補=パラノイドパーク(ガス・ヴァン・サント監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=デス・プルーフ in グラインドハウス(クエンティン・タランティーノ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=アンダーカヴァー(ジェームズ・グレイ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2006年
カンヌ候補=バベル(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー賞作品賞・監督賞など候補
カンヌ候補=パンズ・ラビリンス(ギレルモ・デル・トロ監督メキシコ/スペイン/アメリカ)→?メイクアップ賞 美術賞・撮影賞(ギレルモ・ナヴァロ)
カンヌ候補=マリー・アントワネット(ソフィア・コッポラ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞衣装デザイン賞受賞(ミレーナ・カノネロ)
カンヌ候補=ボルベール <帰郷>(ペドロ・アルモドバル監督スペイン)→カンヌ映画祭主演女優賞、脚本賞受賞→アカデミー賞主演女優賞候補(ペネロペ・クルス)
カンヌ候補=デイズ・オブ・グローリ―(ラシッド・ブシャール監督アルジェリア/フランス/ベルギー/モロッコ)→カンヌ映画祭男優賞受賞→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ファーストフード・ネイション(リチャード・リンクレイター監督イギリス/アメリカ)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2005年
カンヌ候補=ヒストリー・オブ・バイオレンス(デヴィッド・クローネンバーグ監督アメリカ/カナダ)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞助演男優賞(ウィリアム・ハート)脚色賞(ジョシュ・オルソン)各賞候補
カンヌ候補=メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(トミー・リー・ジョーンズ監督)→カンヌ映画際男優賞受賞(トミー・リー・ジョーンズ)・脚本賞受賞(ギジェルモ・アリアガ)→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ブロークン・フラワーズ(ジム・ジャームッシュ監督)→カンヌ映画祭グランプリ受賞→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ラストデイズ(ガス・ヴァン・サント監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=シン・シティ(フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス共同監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし?

★2004年
カンヌ候補=華氏911(マイケル・ムーア監督)→カンヌ映画祭最高賞・パルムドール受賞→アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞
カンヌ候補=レディ・キラーズ(ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン共同監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=モーターサイクル・ダイアリーズ(ウォルター・サレス監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞歌曲賞受賞(ホルヘ・ドレクスレル)外国語映画賞候補

★2003年
カンヌ候補=ミスティック・リバー(クリント・イーストウッド監督)→アカデミー賞主演男優賞ショーン・ペン)助演男優賞(ティム・ロビンス)受賞、作品賞、監督賞、脚色賞各賞候補
カンヌ候補=みなさん、さようなら(ドゥニ・アルカン監督カナダ/フランス)→カンヌ映画祭女優賞受賞(マリ=ジョゼ・クローズ) 脚本賞受賞(ドゥニ・アルカン)→アカデミー賞外国語映画賞受賞、脚本賞候補
カンヌ候補=エレファント(ガス・ヴァン・サント監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ブラウン・バニー(ヴィンセント・ギャロ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

◆2002年
カンヌ候補=戦場のピアニスト(ロマン・ポランスキー監督)→カンヌ映画祭パルムドール最高賞→アカデミー賞監督賞受賞・作品賞各賞候補
カンヌ候補=ボウリング・フォー・コロンバイン(マイケル・ムーア監督)→アカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞
カンヌ候補=アバウト・シュミット(アレクサンダー・ペイン監督)→関カンヌ候補のみ→アカデミー賞主演男優賞候補(ジャック・ニコルソン)
カンヌ候補=パンチドランク・ラブ(ポール・トーマス・アンダーソン監督)→アカデミー賞候補なし。

★2001年
カンヌ候補=ムーラン・ルージュ(バズ・ラーマン監督)→アカデミー賞作品賞、主演女優賞など各賞候補
カンヌ候補=マルホランド・ドライブ(デヴィッド・リンチ監督)→カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー監督賞候補
カンヌ候補=シュレック(ヴィッキー・ジェンソン/アンドリュー・アダムソン共同監督)→アカデミー賞長編アニメ賞受賞
カンヌ候補=ノー・マンズ・ランド(ダニス・タノヴィッチ監督フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニア)→カンヌ映画祭脚本賞(ダニス・タノヴィッチ)→アカデミー賞外国語映画賞受賞
カンヌ候補=プレッジ(ショーン・ペン監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

★2000年
カンヌ候補=ダンサー・イン・ザ・ダーク(ラース・フォン・トリアー監督デンマーク)→カンヌ映画祭最高賞パルムドール・主演女優賞受賞(ビョーク)→アカデミー賞歌曲賞受賞(ビョーク)
カンヌ候補=オー・ブラザー!(ジョエル・コーエン監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞脚色賞・撮影賞各賞候補
カンヌ候補=ベティ・サイズモア(ニール・ラビュート監督)→ カンヌ脚本賞受賞(ジョン・リチャーズ/ジェームズ・フラムバーグ)


◆1999年
カンヌ候補=オール・アバウト・マイ・マザー(ペドロ・アルモドバル)→カンヌ映画祭監督賞受賞→アカデミー外国語映画賞受賞
カンヌ候補=ストレイト・ストーリー(デビット・リンチ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞主演男優賞候補(リチャート・ファンズワース)
カンヌ候補=クレイドル・ウィル・ロック(ティム・ロビンス監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし
カンヌ候補=ゴースト・ドッグ(ジム・ジャームッシュ監督)→カンヌ候補のみ→アカデミー賞候補なし

 

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2019年アカデミー賞監督賞のサプライズを考察していく 英国アカデミー賞 考察編2019年アカデミー賞監督賞のサプライズを考察していく 英国アカデミー賞 考察編

アカデミー賞英国アカデミー賞の違い
米国アカデミー賞は海外の作家やカンヌとのかかわり方、米国内での映画賞という側面を踏まえて映画通が選ぶ賞とは別格としています。ABCというテレビ局が全世界放映10億人視聴率という広告規模もこのアカデミー賞が映画通に向けての映画をノミネートさせない一つでもあります。私たち映画好きが望む以上に世界的マーケティングを考慮したキャンペーンが行われ、いかにアカデミー会員の一票を多く獲得するかという占拠的側面が大きいです。

しかしながら、英国アカデミー賞はそのような枠には縛られず、米国アカデミー賞との差はほぼない候補をあげながらも独自色を出します。
それが今回のパヴェウ・パヴリコフスキ監督のサプライズ候補の要因です。
今回は、英国アカデミー賞と米国アカデミー賞との近くて遠い因果関係を書き綴りたいと思います。
またせっかくなので、英国、米国両アカデミー賞とのかかわりを資料的に記録しました。ご参考ください。※この因果関係を整理した資料が何処にもなかったので作りました。


CAPTER 01
英国アカデミー賞の傾向としては、過去20年のアカデミー賞との関わりを踏まえて以下の点が特徴的です。


① その年の下馬表の高い米国作品がそのまま英国アカデミー賞の候補および受賞につながる
ドゥニ・ヴィルヌーヴ(ブレードランナー 2049)=2017年英国アカデミー賞、監督賞候補。もともと2016年の「メッセージ」で米国・英国ともにアカデミー賞監督賞候補になっていたが、翌年の「ブレードランナー2049」で三度評価に。・
② フランス、ドイツなどの米国以外の作品・監督候補または受賞を与える。。自国での評判や実績、カンヌ映画祭など主要映画祭での受賞なども必須。  ※受賞した監督や作品が米国アカデミー賞の候補および受賞に至らない場合もある。
ロマン・ポランスキー(戦場のピアニスト)=2002年の米国アカデミー賞監督賞受賞、英国アカデミー賞監督賞、作品賞受賞、カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞カンヌ、米国での下馬評、監督の映画でのキャリアの総合的な評価と作品の質も含めて・ジャン=ピエール・ジュネ(アメリ)=2001年英国アカデミー賞作品賞、監督賞候補。当時のフランス映画興行収入1位を記録。しかし、ジャン=ピエール・ジュネは米国アカデミー賞脚本賞候補のみ。


③ その年の下馬表は良かったものの、後年に遅れて候補になるパターン。・フェルナンド・メイレレス(ナイロビの蜂)=2005年英国アカデミー賞監督、作品賞候補。もともと2003年のアカデミー賞では監督賞の候補になる快挙であったが、英国アカデミー賞では候補漏れをしました。・マイケル・マン(コラテラル)=2004年英国アカデミー賞監I2000年公開の「ALI/アリ」で監督賞下馬評が高かったが候補にならなかった。・クリストファー・ノーラン(インセプション)=2010年英国アカデミー賞監督賞候補であるが、その前年2008年には名作ダークナイトでの監督候補漏れが行われている。・クリント・イーストウッド(チェンジリング)=2008年英国アカデミー賞監督賞候補であるが、その前年2006年には「硫黄島からの手紙」で米国アカデミー賞候補になっている。

今回のパヴェウ・パヴリコフスキ監督「COLD WAR/あの歌、2つの心」はこの②の傾向に準ずるパータンです。
重要な事ですが、②のパターンと米国アカデミー賞が直結する事が多々あります。カンヌ映画祭などの賞を受賞し英国圏内では認知が高く、米国では大きなキャンペーンが行われておりませんでした。低コストハイリターンという言い方は失礼かもしれませんが、「表かに値する」「英国の方も認めている」という点から、オスカーの監督賞候補への兆しはあったといっても過言ではありません。

CAPTER 02 今後のアカデミー賞分析として。
私もアカデミー賞の予想は映画ファンとして大好きです。自分の分析が当たっているかどうかなど、好奇心かきたられます。また、それまでに数々の米国内の批評家協会賞の資料を読み込んだりしてノミネーションへの候補を絞ります。しかしそれはらの努力は米国内だけというだけです。米国内でのアカデミー賞のノミネーションの分析はまた別項として掲載するとして、あくまで国内の評判ばかりに目をいかせてました。
ですが、これからは英国アカデミー賞カンヌ映画祭での下馬評も含めてサプライズ候補の予想を余儀なくされます。
映画がグローバル化さて、ブロードバンド配信の時代に突入するにあたり賞レースビジネスを目的とした分析は各映画賞とアカデミーとのかかわりが必要となっていきます。アルゴでのベン・アフレック監督の監督賞候補漏れ事件は米国内での内部評判である程度分析できますが、ブラットリー・クーパーの監督賞候補漏れはその一例も含めて、外来である非英語圏監督の存在を意識しなければなりません。
次のセンテンスでは、カンヌ映画祭アカデミー賞の因果を掲載していきたいて思います。

~CAPTER 03~英国アカデミー賞と米国アカデミー賞との主な関わり合い。
ブラリットリー・クーパーとパヴェウ・パヴリコスキ(作品賞・監督賞)との資料側面として掲載です。過去20年分を掲載。※イギリスの映画のみを対象としたアレクサンダー・コルダ賞(英国アカデミー賞 英国作品賞)は別とします。「※」しるしは、コラム的内容です。
2000年2004年は今年のアカデミー賞ノミネートに近いしい傾向ですので参考ください。

★2017年・第71回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=スリー・ビルボードアカデミー賞作品賞候補君の名前で僕を呼んでアカデミー賞作品賞候補ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男アカデミー賞作品賞候補ダンケルクアカデミー賞作品賞候補シェイプ・オブ・ウォーターアカデミー賞作品賞受賞
監督賞受賞=ギレルモ・デル・トロ(シェイプ・オブ・ウォーター) →アカデミー賞監督賞 受賞 ルカ・グァダニーノ(君の名前で僕を呼んで) →アカデミー賞監督賞候補クリストファー・ノーラン(ダンケルク)  →アカデミー賞監督賞候補マーティン・マクドナー(スリー・ビルボード)  →アカデミー賞監督賞候補 落選ドゥニ・ヴィルヌーヴ(ブレードランナー 2049) →アカデミー賞監督賞候補 落選
※この年はヴィルヌーブ監督の二年連続候補がサプライズでしたが、米国アカデミー賞の方では外れました。※またマターィン・マクドナー監督は米国の評論賞はトップでしたが、業界内での評判がいま一つなのか米国アカデミー賞では監督賞から外れました。

★2016年・第70回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=ラ・ラ・ランドメッセージ わたしは、ダニエル・ブレイク マンチェスター・バイ・ザ・シー ムーンライト
監督賞受賞=デイミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド) →アカデミー賞監督賞候補ドゥニ・ヴィルヌーヴ(メッセージ) →アカデミー賞監督賞候補ケネス・ロナーガン(マンチェスター・バイ・ザ・シー)→アカデミー賞監督賞候補 トム・フォード(ノクターナル・アニマルズ) →アカデミー賞監督賞候補 落選 ケン・ローチ(わたしは、ダニエル・ブレイク) →アカデミー賞監督賞候補 落選
トム・フォードは米国映画賞の賞レースでも浮上しましたが、米国アカデミー賞では候補から外れました。※ケン・ローチは英国の映画賞、カンヌなど受賞歴も多く米国アカデミー賞での候補があってもおかしくありませんが、その都度、米国内での賞レースから外されそのままオスカー候補にならずじまいです。

★2015年・第69回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=レヴェナント:蘇えりし者 スポットライト 世紀のスクープ ブリッジ・オブ・スパイ マネー・ショート 華麗なる大逆転 キャロル監督賞受賞=アレハンドロ・G・イニャリトゥ(レヴェナント:蘇えりし者) アダム・マッケイ(マネー・ショート 華麗なる大逆転) スティーヴン・スピルバーグ(ブリッジ・オブ・スパイ) リドリー・スコット(オデッセイ) トッド・ヘインズ(キャロル)
スピルバーグ監督は候補になれる価値があれますが、彼の作品歴からすればその対象である必要性がなく主に心理的背景による落選が濃厚です。※リドリー・スコット監督は、米国内での賞レースの候補に上がるが受賞がなくこの英国アカデミー賞でも候補だけでした。※トッド・ヘイスンズは米国国内の賞レースでの貢献が大きく候補になりましたが、インディペンデント系の映画関係者が称賛するところが終わってしまい、本番のアカデミー賞まで中々届きません。


★2014年・第68回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=6才のボクが、大人になるまで。 グランド・ブダペスト・ホテル イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 博士と彼女のセオリー バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)監督賞受賞=リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。) →アカデミー賞監督賞候補 ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル) →アカデミー賞監督賞候補アレハンドロ・G・イニャリトゥ(バードマン あるいは「無知がもたらす予期せぬ奇跡」)→アカデミー賞監督賞受賞ジェームズ・マーシュ(博士と彼女のセオリー) →アカデミー賞監督賞候補 落選デイミアン・チャゼル(セッション) →アカデミー賞監督賞候補 落選
デミアン・チャゼルの候補は健闘ですが、米国アカデミーでは監督賞の候補漏れでした。傾向としては、プロモーションの遅れが懸念されています。※ジェームズ・マーシュ(博士と彼女のセオリー)は映画としての出来も良いと思いますが、英国映画としての評価です。また英国アカデミー賞は若手監督をこの部門候補にする傾向があります。


★2013年・第67回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=それでも夜は明ける アメリカン・ハッスル キャプテン・フィリップスゼロ・グラビティ あなたを抱きしめる日まで
監督賞受賞=アルフォンソ・キュアロン(ゼロ・グラビティ) →アカデミー賞監督賞受賞 スティーヴ・マックィーン(それでも夜は明ける) →アカデミー賞監督賞候補 デヴィッド・O・ラッセル(アメリカン・ハッスル) →アカデミー賞監督賞候補マーティン・スコセッシ(ウルフ・オブ・ウォールストリート) →アカデミー賞監督賞候補ポール・グリーングラス (キャプテン・フィリップス) →アカデミー賞監督賞候補 落選


★2012年・第66回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=アルゴ レ・ミゼラブル ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日リンカーンゼロ・ダーク・サーティ監督賞受賞=ベン・アフレック(アルゴ) →アカデミー賞監督賞候補 落選 ミヒャエル・ハネケ(愛、アムール) →アカデミー賞監督賞候補クエンティン・タランティーノ(ジャンゴ 繋がれざる者) →アカデミー賞監督賞候補 落選アン・リー(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日) →アカデミー賞監督賞候補キャスリン・ビグロー(ゼロ・ダーク・サーティ) →アカデミー賞監督賞候補 落選
ベン・アフレックの前評判とアカデミー賞当確とまで言われたのに関わらず、監督賞の候補落選となった事件。結局は質が高くとも業界内の評判によっては憂き目に合うのです。※タランティーノ監督は前作同様に候補にとなりましたが、そもそも米国英国での爆発的ヒットをとばしている拝啓があるため鑑賞した会員は多かったと思われます。※キャスリン・ビグローの落選も業界内部の反応といっても可能ではないと想います。


★2011年・第65回 英国アカデミー賞作品賞受賞=アーティスト ファミリー・ツリー ドライヴ ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ 裏切りのサーカス監督賞受賞=ミシェル・アザナヴィシウス(アーティスト) →アカデミー賞監督賞受賞マーティン・スコセッシ(ヒューゴの不思議な発明) →アカデミー賞監督賞候補トーマス・アルフレッドソン(裏切りのサーカス) →アカデミー賞監督賞候補 落選リン・ラムジー(少年は残酷な弓を射る) →アカデミー賞監督賞候補 落選ニコラス・ウィンディング・レフン(ドライヴ) →アカデミー賞監督賞候補 落選
※ニコラス・ウイディング・レフン監督はカンヌ映画祭監督賞も受賞し海外映画を取り入れる英国アカデミー賞では候補となりました。※リン・ラムジー監督もカンヌ映画祭で評判が高かった作品ですが、米国での作品のプロモーションに失敗してしまったといいます。※トーマス・アルフレッドソン監督は、イギリス人枠の監督というところでしょうか。


★2010年 第64回 英国アカデミー賞作品賞受賞=英国王のスピーチ ブラック・スワンインセプションソーシャル・ネットワークトゥルー・グリット
監督賞受賞=デヴィッド・フィンチャー(ソーシャル・ネットワーク) →アカデミー賞監督賞候補ダニー・ボイル(127時間)      →アカデミー賞監督賞候補 落選ダーレン・アロノフスキー(ブラック・スワン) →アカデミー賞監督賞候補クリストファー・ノーラン(インセプション)  →アカデミー賞監督賞候補 落選トム・フーパー(英国王のスピーチ) →アカデミー賞監督賞受賞   ※ダニー・ボイル監督、ノーラン監督、ともに英国出身ということもあり英国アカデミーでは監督候補でしたが、米国の特にハリウッド業界ではやはり評判がいま一つのため候補漏れ。


★2009年・第63回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=ハート・ロッカー アバター 17歳の肖像プレシャス マイレージ、マイライフ
監督賞受賞=キャスリン・ビグロー(ハート・ロッカー) →アカデミー賞監督賞受賞ジェームズ・キャメロン(アバター)→アカデミー賞監督賞候補クエンティン・タランティーノ(イングロリアス・バスターズ)→アカデミー賞監督賞候補  ニール・ブロンカンプ(第9地区)→アカデミー賞監督賞候補 落選ロネ・シェルフィグ(17歳の肖像)→アカデミー賞監督賞候補 落選
ロネ・シェルフィグはイギリス映画監督枠、ニール・ブロンカンプダークナイトの代役的役割。この年は、ダークナイトのクリストファーノーラン監督が候補確実と言われ、今ほど認知が低かったアメコミ故の苦渋を味わう結果に。米国アカデミー賞も同様にノーラン監督の監督賞と、作品賞からは外されました。逆に米国アカデミーごひいきの「トゥルー・グリット」のコーエン兄弟は英国アカデミーでは候補漏れ。露骨ではありますが、英国アカデミー賞の特色を表す年です。

★2008年・第62回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=スラムドッグ$ミリオネアベンジャミン・バトン 数奇な人生 フロスト×ニクソン ミルク愛を読むひと
監督賞受賞=ダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオネア) →アカデミー賞監督賞受賞デヴィッド・フィンチャー(ベンジャミン・バトン数奇な人生)→アカデミー賞監督賞候補ロン・ハワード(フロスト×ニクソン)  →アカデミー賞監督賞候補スティーヴン・ダルドリー(愛を読むひと) →アカデミー賞監督賞候補クリント・イーストウッド(チェンジリング) →アカデミー賞監督賞候補 落選
クリント・イーストウッド監督は、2006年の「硫黄島からの手紙」で米国アカデミー賞監督・作品賞候補になったが遅れてこの年候補になっている。※スティーブ・ダルドリー監督は映画の出来が良かったにも関わらず米国の批評家賞ではほとんどスルーされていました。イギリス本国でのこの快挙からアカデミー監督賞候補までになりました。

★2007年・第61回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=つぐない アメリカン・ギャングスター 善き人のためのソナタ ノーカントリー ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
監督賞受賞=ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン(ノーカントリー)→アカデミー賞監督賞受賞ポール・トーマス・アンダーソン (ゼア・ウィル・ビー・ブラッド) →アカデミー賞監督賞候補ジョー・ライト(つぐない)→アカデミー賞監督賞候補 落選ポール・グリーングラス(ボーン・アルティメイタム)→アカデミー賞監督賞候補 落選フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク(善き人のためのソナタ) →アカデミー賞監督賞候補 落選
※ドナースマルクはカンヌ映画祭からの評判、ジョーライトは英国人枠、グリーングラスは「ユナイテッド93 (2006)」の監督賞候補からの続投。


★2006年・第60回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=クィーン バベルディパーテッド ラストキング・オブ・スコットランド リトル・ミス・サンシャイン
監督賞受賞=ポール・グリーングラス(ユナイテッド93) →アカデミー賞監督賞候補 マーティン・スコセッシ(ディパーテッド) →アカデミー賞監督賞受賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(バベル) →アカデミー賞監督賞候補スティーブン・フリアーズ(クィーン)→アカデミー賞監督賞候補ヴァレリー・ファリス/ジョナサン・デイトン(リトル・ミス・サンシャイン) →アカデミー賞監督賞候補 落選
マーティン・スコセッシ監督の受賞が騒がれていたが、スコセッシ監督は一度受賞(1990年グッドフェローズ)してるので候補のみ。イギリス人枠のグリーングラスが英国での受賞。スティーブン・フリアーズ監督は作品よりヘレン・ミレンの受賞のほうが注力されていた。


★2005年・第59回 英国アカデミー賞   作品賞受賞=ブロークバック・マウンテン カポーティ ナイロビの蜂 クラッシュ グッドナイト&グッドラック
監督賞受賞=アン・リー(ブロークバック・マウンテン) →アカデミー賞監督賞受賞 ベネット・ミラー(カポーティ) →アカデミー賞監督賞候補フェルナンド・メイレレス(ナイロビの蜂) →アカデミー賞監督賞候補 落選ポール・ハギス(クラッシュ) →アカデミー賞監督賞候補ジョージ・クルーニー(グッドナイト&グッドラック) →アカデミー賞監督賞候補
※同性愛をテーマにドラマを完成させ新時代の幕開けとなったアン・リー(ブロークバック・マウンテン)の受賞。メイレレスはその前のシティ・オブ・ゴッドでの英国候補漏れがあり、そのまのまスライド候補。ただし米国映画では都度スルーされレイチェル・ワイズ助演女優賞に注力が行った。


★2004年・第58回 英国アカデミー賞作品賞受賞=アビエイター エターナル・サンシャイン ネバーランド モーターサイクル・ダイアリーズヴェラ・ドレイク 
監督賞受賞=マイク・リー(ヴェラ・ドレイク) →アカデミー賞監督賞候補マーティン・スコセッシ(アビエイター) →アカデミー賞監督賞候補マイケル・マン(コラテラル) →アカデミー賞監督賞候補 落選ミシェル・ゴンドリー(エターナル・サンシャイン) →アカデミー賞監督賞候補 落選マーク・フォスター(ネバーランド)→アカデミー賞監督賞候補 落選
※今回のパヴェウ・パヴリスコフスキ監督との例が一番近いしいのがこの年。マイク・リーはイギリス人枠として候補になっていますが、ベネチア国際映画祭の金獅子賞受賞以外はまったく賞レースに絡まらなかった。イメルダ・スタウントン(両アカデミー賞主演女優賞候補・ベネチア国際映画祭女優賞)の女優賞に注力が注がれていた。賞を受賞するほどのパワーなかったようにもおもえるが、作品の評価と英国アカデミー賞の受賞から、そのまま米国アカデミーでの監督賞候補にも流れていった。

★2003年・第57回 英国アカデミー賞
作品賞ロード・オブ・ザ・リング王の帰還 ビッグ・フィッシュアカデミー賞監作品候補 落選コールド マウンテンアカデミー賞監作品候補 落選ロスト・イン・トランスレーション マスター・アンド・コマンダー
監督賞受賞=ピーター・ウィアー(マスター・アンド・コマンダー) →アカデミー賞監督賞候補ティム・バートン(ビッグ・フィッシュ) →アカデミー賞監督賞候補 落選アンソニー・ミンゲラ(コールド マウンテン) →アカデミー賞監督賞候補 落選ピーター・ジャクソン(ロード・オブ・ザ・リング王の帰還)→アカデミー賞監督賞受賞ソフィア・コッポラ(ロスト・イン・トランスレーション)  →アカデミー賞監督賞候補
ティム・バートン、アソニー・ミンゲラの中堅監督のドラマが好評価で米国でもうなぎ上りであったが、米国アカデミーはクリント・イーストウッド(ミスティック・リバー)フェルナンド・メイレレス(シティ・オブ・ゴッド)を監督賞候補に挙げた。


★2002年 第56回 英国アカデミー賞
作品賞受賞=戦場のピアニスト シカゴギャング・オブ・ニューヨーク めぐりあう時間たち ロード・オブ・ザ・リング二つの塔
監督賞受賞=ロマン・ポランスキー(戦場のピアニスト) →アカデミー賞監督賞受賞ロブ・マーシャル(シカゴ) →アカデミー賞監督賞候補マーティン・スコセッシ (ギャング・オブ・ニューヨーク) →アカデミー賞監督賞候補スティーヴン・ダルドリー(めぐりあう時間たち) →アカデミー賞監督賞候補 ピーター・ジャクソン(ロード・オブ・ザ・リング二つの塔) →アカデミー賞監督賞候補 落選
ロマン・ポランスキーの評価はまったく上がらず、この英国映画祭の受賞前後から急激に評価が伸び米国のアカデミー賞でも監督賞を受賞した。映画としての出来より、映画への貢献度とカンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞している事も後押しとなった。


★2001年 第55回 英国アカデミー賞 作品賞受賞=ロード・オブ・ザ・リング アメリ →アカデミー賞作品賞候補 落選(米国アカデミー賞脚本賞候補)ビューティフル・マインドムーラン・ルージュ シュレック →アカデミー賞作品賞候補 落選(米国アカデミー賞長編アニメーション候補+受賞)

監督賞受賞=ピーター・ジャクソン(ロード・オブ・ザ・リング) →アカデミー賞監督賞候補 ロン・ハワード(ビューティフル・マインド) →アカデミー賞監督賞 受賞ロバート・アルトマン(ゴスフォード・パーク) →アカデミー賞監督賞候補バズ・ラーマン(ムーラン・ルージュ) →アカデミー賞監督賞候補 落選ジャン=ピエール・ジュネ(アメリ) →アカデミー賞監督賞候補 落選
※サプライズは、ジャン・ピエール・ジュネ監督のアメリ。フランス国内の動員記録を塗り替えてからの評価。


★2000年 第54回 英国アカデミー賞作品賞受賞=グラディエーター あの頃ペニー・レインと →アカデミー賞作品賞候補 落選リトル・ダンサーアカデミー賞作品賞候補 落選グリーン・デスティニー エリン・ブロコビッチ

監督賞受賞=アン・リー(グリーン・デスティニー) →アカデミー賞監督賞候補 スティーヴン・ダルドリー(リトル・ダンサー) →アカデミー賞監督賞候補  リドリー・スコット(グラディエーター) →アカデミー賞監督賞候補 スティーヴン・ソダーバーグ(トラフィック) →アカデミー賞監督賞候補 受賞スティーヴン・ソダーバーグ(エリン・ブロコビッチ) →アカデミー賞監督賞候補 
アン・リーは「いつか晴れた日に (1995)」での落選から、東洋人差別であるという風潮が起こり、評価の良いグリーンデスティニーでの候補と受賞。そのまま、米国アカデミー賞での候補にもつながった。スティーブン・ダルドリーが米国でも監督賞候補にあがったが、その当時、監督賞の候補は「ショコラ」のラッセ・ハルストレムか「あのころペニーレインと」のキャメロン・クロウのどちらかであると見立てられていたが、今回の


★1999年 第53回 英国アカデミー賞作品賞受賞=アメリカン・ビューティー →アカデミー作品賞受賞ぼくの国、パパの国 →オスカー候補なしことの終わり →オスカー候補なしシックス・センス リプリー
監督賞受賞=ペドロ・アルモドバル(オール・アバウト・マイ・マザー) →アカデミー賞監督賞候補 落選 サム・メンデス(アメリカン・ビューティー) →アカデミー賞監督賞受賞 ニール・ジョーダン(ことの終わり) →アカデミー賞監督賞候補 落選M・ナイト・シャマラン(シックス・センス) →アカデミー賞監督賞候補 アンソニー・ミンゲラ(リプリー)   →アカデミー賞監督賞候補 落選

※米国映画と英国映画の差が露骨だった年。米国アカデミー賞は、ラッセ・ハルストレム(サイダー・ハウス・ルール) スパイク・ジョーンズ(マルコヴィッチの穴) マイケル・マン(インサイダー) を候補に挙げている。米国は、イギリス人監督のニールジョーダン、アンソニー・ミンゲラを候補に挙げている。両国の下馬評は、M・ナイト・シャマランサム・メンデスと2名が確定という見方が強く、フロントランナー3人が誰になるかで米国英国両アカデミーは割れた。
これ以降、2003年以降、米国アカデミー賞英国アカデミー賞の候補と受賞を反映さてせいく傾向になる。


ちなみに、1994年にアカデミー賞
作品賞受賞=フォレスト・ガンプ/一期一会 ショーシャンクの空に クイズ・ショウ パルプ・フィクション フォー・ウェディング


監督賞受賞=ロバート・ゼメキス(フォレスト・ガンプ/一期一会) ウディ・アレン(ブロードウェイと銃弾) クエンティン・タランティーノ(パルプ・フィクション) ロバート・レッドフォード(クイズ・ショウ) クシシュトフ・キエシロフスキー(トリコロール/赤の愛)

となっており、この年も今回のに近い 傾向です。